学生ローンの利用は限定的、使い勝手でもカードローンに軍配!
カードローンはカードを使ってATMからお金を引出し、返済もATMを使って可能になっていますが、提供するには独自のATM網が必要で、銀行を除けば大きな資本力のある大手や準大手と言った消費者金融しか提供が難しくなります。
このため学生ローンを提供しているような中小規模の消費者金融では提供が難しく、学生ローンの多くはATM網が無いためカードローンと言う形での利用はできず、極一部だけカードローンを提供している場合が有ります。
ただし、こういったところでも全国から利用できるようなATM網が自前で作れるわけではないので、ごく狭い範囲か或は他の金融機関と提携して提供しています。しかし、その場合利用手数料がかかってしまう為、お得とは言えません。
カードローンとは?カード利用でATMで融資の引出しと返済が可能
従来の融資と言うのは契約書を交わして契約書に記載された金額を融資し、あとは月々返済して行くというものでこれを証書貸付と言います。これに対してカードローンというのは融資限度額が決められその中で借りたり返したりを繰り返せるというものです。
使い勝手としては当然カードローンのほうが良いのですが、カードローンを提供するにはカードを発行して、それを利用するためのATM網を提供する必要が有ります。
このためこういった事を行うには莫大な費用が掛かることになり、実現できる金融業者ということになると、銀行を別にすれば大手や準大手と言われる消費者金融ぐらいしかありません。中堅以下の業者では難しいということです。
カードローンと証書貸付の違い
カードローンはローンの分類でいえばフリーローンということになりますが、従来のローンと決定的に違うのは融資の利用が1回とは限らないということです。
従来のローンでは契約を結べば融資は最初の1回だけで、その後は返済が続きます。再度借入れを行う場合には、改めて契約を結んでと言う手順を踏まなければなりません。こういう貸し方を証書貸付と言います。
これに対してカードローンというのは利用上限額は決っていますが、その範囲内であれば借りたり返したりを繰り返すことができて、しっかり返済が行われていれば、何回借りようが利用者次第ということになります。
このためカードローンというのはローンとしては利用者に取って大変使い勝手が良いものだと言えるでしょう。
カードローンを提供するにはATM網を用意する必要が有る
それなら金融業者がすべてこのカードローンを提供しているのかと言えば、そうではありません。カードローンを提供するためには、大きな壁を乗り越える必要が有ります。
カードローンはカードを発行して、そのカードを利用するための設備が必要です。要するにこれがATMに当たるわけです。
つまりカードローンを提供するには全国あるいは一定地域内にATM網を作って、ATMを各地に設置しておかなければならない訳です。
そうなると何が問題なのかと言えば、それに必要になる莫大な設備投資を行うことができるのかと言うことです。
カードローンを提供している消費者金融は大手や準大手が殆ど
こういった設備投資を行うにはかなりの元手が必要ですが、そういったお金が用意できると言うのは要するに銀行や大手消費者金融だけで、場合によってはこれに準大手の消費者金融が加わる程度でしょう。
ですからカードローンは便利で利用者もそれを望んでいるのはどんな金融業者も分かっていたとしても、おいそれとカードローンを提供できるようになる訳が無いのです。
そもそも最近では貸金業法の改正に伴い消費者金融では利益をなかなか上げられないようになってしまっているので、大手はともかく今後も中小規模の業者が大きく利益を伸ばして、独自のATM網を用意できようになるとも思えません。
ですから今度も融資の提供形態は現状から大きく変わって小規模業者がATMで利用できるようにはなかなかならないでしょう。
小規模業者の中にはカードローンとしての利用はできないまでも、やはり融資上限を決めることによって、その上限内で利用者の要求に応じて銀行振込で融資を行い、返済してもらうことで、カードローン的な何度も融資に応じるようになっている所も有ります。
学生ローンの殆どはカードローンに対応していない!
学生ローンを提供している金融業者と言うのは、殆どの場合は中小規模の業者ですから、多くは1店舗で営業していて、インターネット経由などで全国利用ができますが、融資や返済は銀行振込で対応することになっています。
当然こういった業者の場合、ローン用のカードの発行や自前のATMの整備は難しいですから、カードローンと言う形での融資は実現することができません。
ただしごく一部の業者では、店舗内にATMを設置してカードでの利用ができるようになっていたり、他の大手金融機関と提携して、全国のATMで利用ができるようになっているところが有ります。
こういった方法でなければカードローンの提供はできないでしょう。
学生ローンを提供している消費者金融は中小規模の業者が多い
学生ローンを提供している業者も一般の消費者金融と全く同じで融資の対象が学生か社会人かの違いだけです。このため業者によっては一般向けと学生向けの両方を提供している業者も有ります。
しかし多くの学生ローンの業者と言うのは、店舗が1つだけというような業者で、消費者金融としては中小規模のものが殆どということです。
このため学生ローンの業者では資本力が不足しており、なかなか全国はおろか地域限定であってもATM網を準備することはできません。
学生ローンでカードローンになっているところは極一部
中には店舗内に1台あるいは何台かATMを設置している学生ローンの専門業者が有って、こういった業者では店舗内だけでカードローン的な利用方法ができるようになっている場合が存在しています。
しかしこういった少数のATMを用意している業者も、全体から見ると、極一部の業者ということになるため、学生ローンではなかなかカードローンのサービスを提供できる環境は整わないでしょう。
ですから学生ローンを利用したいという場合には、あまりカードローンという方法に拘っていると選択肢が非常に狭まってしまって、かえって不利な選択になってしまう可能性も出てきます。
中には提携ATMが利用できる場合も有る
ただしごく少数ではありますが、自分の店舗内のATMを外部の大規模なATM網を持つ金融機関のものと提携させることによって事実上全国から利用出来るようにしている学生ローンも存在しています。
この場合ではインターネット経由で申込みを行って、カードを発行してもらえば、提携ATMを利用することによって、全国でカードローンとして利用出来ることになります。
もしこの方式を他の学生ローンでも採用したとすれば、多くの学生ローンが全国規模で利用出来る可能性が有りますが、現在の所そういう方向にはなっていません。
そもそも現在の消費者金融の経営状態では生き残るだけでも非常に厳しい筈で、その他にお金を使っている時ではないのかもしれません。
ATM網は無理ですが、学生ローンの業者はインターネットを利用して全国からの利用を可能にして利用者を確保しようとしています。ですから自分は田舎住まいで学生ローンの利用は無理だと考えている人でも借入れ自体は諦める必要はありません。
カードローンの利用にも問題あり!手数料を無視してはいけない
説明したように学生ローンでもカードローンとして利用できるものは有ります。しかしとても全国規模で自前のATMは設置できませんから、殆どの場合には、利用できたとしても提携先の金融機関のATMからということです。
ここで問題になるのは提携ATMを利用するには利用先の金融機関に対して利用手数料を支払う必要が生じることです。このため店舗の窓口で利用するよりも、不利な利用になってしまう可能性が有る訳です。
利用手数料など大したことは無いのではないかと考えている人も少なくないと思いますが、実際に計算してみるとわかりますが、利用方法によっては、利息よりも利用手数料のほうが高いということも無いとは言えないのです。
多くの利用者は提携ATMを利用することになる
そこで稀にある全国から提携ATMを利用して融資と返済ができる学生ローンについて調べて行くことにしましょう。
説明しているように業者自体は大手消費者金融に比べれば非常に小規模で多くは1店舗だけで営業しており、ATMを持っていると言っても、自前のATMは店舗内だけというような状況です。
このため全国から利用出来るということは、殆どの利用者は提携ATMを利用するということになります。
使えるだけで便利と考える事もできますが、この提携ATMの利用には大きな問題が有るのです。
提携ATMの利用では利用手数料が発生する
キャッシュカードを利用していればわかると思いますが、提携ATMを利用する場合には、利用手数料を支払う事になるのが普通です。このお金と言うのは融資を利用している金融業者ではなく提携先の金融業者に支払います。
通常は100円+消費税ですが提携先や時間帯によっては200円+消費税ということになり、金額としてはそれ程高額と言うわけではありません。
これを融資で1回、返済で1回利用することになると、合計で200円+消費税から400円+消費税が掛ることになります。返済を複数回行えば、それだけ掛ってくる手数料は多くなります。
実はこの場合によっては無視しがちな利用手数料がかなり大きな問題なのです。
借り方によっては利用手数料が利息よりも高額になる事が有る
200円+消費税だとすればそのくらいなら仕方がないと考える人が殆どでしょう。そこでこれを利息と比較してみましょう。いま1万円を金利17%で一カ月(30日)借りて全額を返済してしまうことを考えてみましょう。
そうすると利息は次のように計算できます。
この上に216円の利用手数料と消費税がかかることになりますから、そもそもこの場合利息よりも利用手数料のほうが高くなります。
これをすべて利息だと考えてみると実際に支払いうことになるお金の金利は次のようになります。
つまりこの場合元本の返済以外にかかる費用を計算すると実質的に43.3%の利息を支払っているのと同じことなのです。
ローンを調べていると大変便利なのだけれども、お得さで考えるともっと良いものが有るとか、非常にお得なのだけれども使い勝手が悪いというようなものがあり、ローン選びはこの兼ね合いで、自分が何を重視するかをよく考えて選ぶことになります。
カードローンを利用したい場合一般向けのものの利用も考えてみよう!
このように学生ローンでカードローンを利用するには問題も有る訳です。そこで視点を変えて一般向けのカードローンを利用することを考えてみましょう。
一般向けの場合にはATM網は充実していますし、カードローンによっては提携ATMでも手数料がかからないものも有ります。
これであればカードローンとしても利用しやすい筈ですが、一般向けですから、学生ローンのように月々の元本分の返済額が決められていないというような事は無く、返済条件は厳しくなるので、その点には注意が必要です。
このため、一般向けのカードローンを利用しようという場合には、まず自分が月々返済して行けるのかどうかを、計算して自分が月々いくらまでなら返済できるのかと言う返済能力を把握し、無理な借入れをしないように注意する必要が有るでしょう。
一般向けカードローンでは提携ATMでも手数料が掛らないこともある
この手数料の話は学生ローンだけではなくて一般向けのカードローンにも言えることですが、一般向けのカードローンと言うのは銀行や大手消費者金融が参入しているため非常に多くの種類が有ります。
中には提携ATMを利用しても利用手数料がかからないものも有りあるのです。この場合相互に利用手数料を取らないという協定を結んでいる場合や、実際には利用手数料が発生していても、カードローンを提供している側の金融機関が負担している場合などが有ります。
こういったカードローンの中には学生でも申込めるものも少なくないため、どうしてもカードローンとして利用したいという場合には、学生ローンに拘るのではなく、こういった一般向けのカードローンの利用も考えてみましょう。
返済条件は厳しくなるので要注意
ただし、一般向けのカードローンは返済条件が学生ローンの元本の返済が自由というような緩さは無い事に注意しなければなりません。
例えば学生ローンの場合には最低利息分だけ支払えば良いので、その場合には借入金額にもよりますが、月々数百円で済みます。しかし一般向けの場合には数千円程度は必要になってしまいます。
しかも通常は減額されるようなことは有りませんから、毎月その金額を準備しなければなりません。収入が不安定な学生にとっては時には支払いが厳しくなる可能性も有るので、一般向けのカードローンを利用する場合には十分注意しなければなりません。
利用に当たっては自分の返済能力を把握して無理な借入れはしない
一般向けのカードローンを利用する前提としては、まず自分の返済能力を把握することが重要です。学生では収入が不安定になるのは仕方のないことです。
必要なのは自分の収入の内返済回せるお金の最低線を理解することで、それ以上の返済額になるものは選ばない、あるいはそれ以上の返済額になる様な借入額にならないようにすることです。
そのために、まず自分の月々の収支を過去1年分計算してみましょう。収入の少ない時期にどの程度の余裕が有るのか分る筈です。それが理解でき、無理な借り入れをしないように気を付けていれば学生であっても一般向けのカードローンの利用はできるでしょう。
無理な借り入れをして学生時代に自己破産というような事にならないように注意してください。
もし自分は高額の借入れではなくて困った時に少額の借入れができればよいというのであればクレジットカードも狙い目です。クレジットカードでもキャッシング枠が有りますから、学生専用カードでも少額なら借りられるはずです。
ここでカードローンとして使える学生ローンについて纏めておきます。
- カードローンはATMを使ってカードで融資の引出しや返済ができるが大手業者でなければ設備が揃えられない
- 学生ローンの業者は殆どが中小業者でカードローンを提供しているところは極少数
- 提携ATMが利用できる場合が有るが利用手数料がかかってしまうので要注意
- カードローンを利用したい場合は一般向けのものの利用という選択肢も有り
カードローンは借り易くつい借りすぎてしまう可能性が有るので、歯止めが利かなくなるような性格の人は敢えて使わない事も考えてみる事が必要です。