他社借入があっても学生ローンを利用できる?審査に通る可能性を探る
他社の学生ローンを利用している学生が更に別業者からお金を借りる場合、まず確認しておかなければならないのが、法的な借入れ上限です。幾ら借入れが必要でもこの上限を超えて融資を受けることはできません。
その範囲の中でまだ借入れできる余裕があれば、他社の学生ローンの申込ができます。しかし複数の融資を受けた場合、返済能力は分散されることになるため、業者の中にはリスクを感じて審査を否決にする場合も有ります。
また審査に通ったとしても、実際に返済が始まった時に本当に返済して行けるのか確認しておく必要も有ります。ですから申込みを行う場合には、まずは自分の収入と支出から返済して行けるかどうかを計算してみることが必要です。
借入れできる金額には法的な上限が有る!学生ローンも例外ではない
学生時代から高額の借入れを抱えるのはあまり良い事とは言えませんが、どうしても必要だという人もたまにはいるようです。ただし注意が必要なのは、学生ローンで融資が利用出来る金額には法的な規制が有ることです。これを総量規制と言います。
学生の場合には収入が少ないですから、年収による制限ではなく例外規定が適用になり、一社当たり50万円まで複数の借入れを利用したとして最高100万円が上限になります。
ですから既に借入れしていて、更に他社からも借入れを考えている場合には、自分は後いくらまでなら借入れできるのかを予め把握しておき、あまり現実離れした借入れを考えるようなことは止めてください。
貸金業法の総量規制とは?
既に他社から借入れしている人が申込んできた場合、金融業者は自社の判断で融資をするかどうかを決めますが、その判断は法的な規制の枠内で行われなければなりません。
貸金業者は貸金業法という法律で管理されていますが、この法律には総量規制と言う条項が有り、融資できる金額が規定されているので、融資できる金額にも規制の網がかかっています。
この規制では融資できる金額を原則として年収の3分の1までと規定していて、例えば年収300万円の人の場合には融資は全社合わせて100万円までしか融資されません。
ただし、これでは年収が少ない人は、借りられる金額が非常に少なくなってしまうので、例外規定が設けられていて、専業主婦の場合には配偶者の了解のもとに融資されたり、少額融資の場合には次のような融資ができるようになっています。
借入数 | 融資上限 |
---|---|
1社 | 50万円以内 |
2社以上 | 全社合計で100万円以内 |
先程の例と合わせて考えれば、年収300万円までの場合、法的に言えば最高100万円までは融資が受けられるということになります。
学生の場合は通常は収入が少ないので例外規定の100万円が上限
そこで学生の場合を考えてみましょう。学生に融資する場合でも、貸金業者はこの法律に則った融資を行わなければなりませんから、年収によって融資できる金額は変わってくることになります。
しかし学生の殆どは学業の傍らアルバイトをして収入を得ていて、年収が300万円を超えるようなことはまずありません。
したがって学生が借りられるのは通常は先ほど説明した例外規定が当て嵌まることになるため、1社50万円まで、複数社借入れしたとしても合計で100万円までしか借入れはできません。
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自分が後いくらまでなら借入れできる可能性が有るのか計算してみよう
このため、既に他社から借入れしていて、新たに別業者から借入れしたいという場合には、その業者からいくらまで借りられるのかを計算しておく必要が有ります。
例えば現在30万円借りているとすれば上限が100万円ですから、新たな借入れでは100万円から30万円を差し引いて70万円までということになります。
ただし収入が少ない場合には、1社あたり50万円までですから、2社目の場合も50万円ということになります。
さらに例えば1社目で30万円、2社目で50万円借りているとすると、更に法的には3社目としてあと20万円は借入れできるということになります。
これを踏まえて申込時に、あまり現実離れしている借入希望を出さないように注意しなければりません。
学生がお金を借りるという場合、考えられる大きな理由は学費ですが、学費の場合には貸金業者ではなく、奨学金を借りたり、銀行から親に教育ローンを借りてもらうなど別の借り方も考えられるので、よく考えて有利な借り先を選びましょう。
他社に借入が有る場合には審査は通り難い!通過は業者の考え方次第
金融業者と言うのは学生ローンを提供している業者を含めて、慈善事業でお金を貸しているのではありません。利益を生み出すためにお金を貸しているのです。したがって返済が見込めない融資は絶対に行いません。
申込時に他社からの借入れが有れば、申込者の返済能力はそちらに割かれてしまいますから、返済能力の評価は低くならざるを得ません。学生の場合元々大きな返済能力は有りませんから、複数借入れの審査はかなり厳しくなると予想できます。
融資してもらえるかどうかと言うのはこういった状況を業者側がとう評価するのかにかかっています。審査の評価は各業者の審査基準で行われますが公開はされていないので、あとは評判などから判断せざるを得ないでしょう。
業者は返済の見込めない融資は行わない
では法律の範囲内なら業者は融資してくれるのかと言えば、そうではありません。法律の範囲内であれば融資はできますが、融資するかどうかは、あくまで貸金業者が審査で判断することです。
貸金業者と言うのは融資をして返済してもらう時に一緒に支払ってもらう利息から利益を生み出しています。したがって、返済してもらわなければ、利益を上げることができない訳です。
したがって審査と言うのは返済が見込めるか見込めないかを判断するために行うわけです。そのためには利用者の返済能力の評価が非常に重要になります。
他社の借入が有れば返済能力の評価は低くならざるを得ない
その返済能力の審査で他社からの借入れが有るということになった場合、貸金業者はどう考えるでしょうか。
返済能力には限界が有りますから、1社だけなら返済できるものが、その能力が2分されたとすれば、どちらかは返済できなくなってしまうかもしれません。
したがって貸金業者は、学生ローンでも一般向けローンでも他社からの借入が有るという人の場合には、審査では警戒感が広がって通り難くなってしまいます。
特に学生は収入がそう大きくなないですから、複数の借入れが行われた場合かなり返済は苦しくなる筈だと考えてもおかしくはないのです。
融資するかどうかは業者の考え方次第
このように貸金業者と言うのは複数の借入れをする人は歓迎しません。融資するかどうかはその業者の考え方次第と言えるでしょう。
例えばある業者の場合は既に1社借入れが有れば、返済能力の評価がどうであっても融資はしないというところが有ります。
これに対して、3社目までであれば融資しましょうという場合も有ります。ただしそれ以上になるとまず借りられるようなところは有りません。
審査で利用される審査基準は公開されるようなことは有りませんから、複数申込んだ時どうなるかというようなことはネット上の評判などから判断するしか方法はないでしょう。
学生ローンの中には、既に借入れしている場合には、相談してくれと言っている場合も有るので、もしそういった希望が有るのであれば、業者によく相談して、何故お金が必要なのかを説明してみて下さい。
審査と言うのは本文で説明している返済能力だけではなく、次のような項目が評価されています。
- 申込者が本人であること
- 申込者に返済能力が有ること
- 申込者が信用できること
まず本人が申込んでいなければ話になりませんから、その点が確認されます。そして返済能力が有っても融資してくれるかどうかわからないというような信用できない人にも貸してはくれません。
返済が複数になることを忘れてはいけない!返済して行けるの?
借入れするときには審査通過のことは気にしますが、その先まで考える事はなかなかできません。しかし借入れしたら月々の返済が複数になるので、返済の負担が大きくなりますから、返済のことをあらかじめ考えておくのは大変重要です。
そこで借入れを申込む前に、まず自分は月々いくらまでなら返済して行けるのかどうかをしっかり計算してみて下さい。この計算は自分の月々の収入と支出が分ればすぐにできます。この計算ができれば借入後に返済可能なのかどうか判断できます。
もし返済額が自分の返済能力を超えてしまっている場合には、返済はできないということですから、安易に借入れしてはいけないということになります。無理して借りてしまうと返済途中で返済に行き詰ってしまいます。
借入したら返済は毎月複数になる!
幸いにして審査に通って借入れできたと考えてみましょう。その後はどうなるのでしょうか。
2か所から借り入れしたとすれば、翌月からの返済は2つということになります。
学生ローンの場合1つ1つの返済は自分の収入に合わせて、かなり自由度の高い返済方式になっていますが、それでも2社と言うことになれば、それだけ返済額は増えるわけですから、その分重荷になることは間違いありません。
借入れするときはお金が必要で、借入れる事ばかりを考えてしまいがちなのですが、ローンというのは返済できて初めて終わるのです。
ですから、借入れ前からしっかり返済のことまで考えておくことが重要になります。
予め返済できるかどうかを計算しておこう
そこで既に他社から借り入れしていて更に借入れを申込もうという場合には、まず申込みの前に行っておくべきなのが、自分に返済して行けるかどうかを正確に計算してみることです。
そこで過去1年前まで遡って自分の月々のアルバイトによる収入と、自分が使っている支出の金額を書き出して、月々の収支を計算してください。
また月々返済することになる2社の返済額の合計も計算してください。
最後にそれらの数値が次の数式を満たしていることを確認しましょう。
返済できそうにない場合には無理して借入れしてはいけない
確認の結果数式が成り立っているのであれば、借入れしても返済はしていけると判断できるでしょう。
しかし一月でも成り立っていない月が有った場合には、今後もそういった月が出てこない保証は有りません。学生の場合には学業が有りますから、自分の思ったようなアルバイトができないことは必ずあります。ですからそういった月が有れば自分には返済して行くことができないと考えたほうが無難です。
こういう場合には、安易な借入れは考えず、例えば支出を見直して節約で乗り切ることを考えるべきでしょう。
あるいはお金が必要な理由にもよりますが、趣味やレジャー等に利用するつもりなら先に延ばすことも考えましょう。
もし本文で言っているように自分の収入や支出が正確には分らない場合もあるでしょう。収入はともかく支出が分らないという人は多いはずです。そういう人は安易に借入れするよりも、まずは自分のお金の流れというものをしっかり把握することから始めるべきでしょう。
まずは他社からの借入れ以外の方法を考える!安易な考えは止めよう
最初に説明した通り学生が複数の借入れをするのはあまりお勧めできません。ですから現在既に借入れしていて別の借入れを考えている場合には、まず本当にお金が必要なのか再度考え直してみることが必要です。
そのためにはまずは自分の普段の支出内容をよく見なおして、節約できる部分を探して、遣り繰りでお金を捻出することを考えてみましょう。これができれば新たな借入れは必要ないということになります。
どうしても借入れが必要ということであれば、安易に他社から借入れするのではなくて、現在借りているところから追加で融資が受けられないかを調べてみましょう。そうすれば月々の返済がこれまでと変わらないはずです。
本当にお金が必要なのか考え直してみる
たとえ返済できたとしても、支出が増えることは間違いありませんから、生活を圧迫する事になります。ですから本来であれば新たな借入れというものはしないほうが良いのです。
そこで借入れを申込む前にもう一つ考えてみて欲しいのが出来るだけ借りなくて済むようにすることです。
学生の場合、まだまだ若いですから、はっきり言えば後先考えず、何かを買いたくなったり、何かがしたかったりすることがあり、このために衝動的に借入れが必要と考えてしまうことが有ります。
そこで借り入れを考えたら、そのお金が本当に必要なお金なのかをじっくり考え直してみて下さい。場合によっては多少時間を空けて冷静に考えられるようになってから再度検討してみることも必要です。よく考えたら必要のないお金だったというようなことも無いとは言えないでしょう。
遣り繰り出来ないか考えてみる
考えてみたが、やはり必要なお金だということになった場合には、次に考えるのは遣り繰りです。自分の支出を見直して、不要不急の支出を先送りすれば、借りなくて済ませることができるかもしれません。
もしそれでも足りず借入れが必要ということになったとしても、借入額を抑えることが出来るはずです。
そうすれば返済もその分少なくなり、短期間で済ませることもできるかもしれません。
十分時間をかけて自分の負担を減らすにはどうすれば良いのか、よく考えてみて下さい。
現在の借入先で追加融資が利用できないかを考えてみる
また借入先を増やさないようにする方法としては、現在の借入先から追加融資してもらうというものが有ります。必要ならその点についても調べてみて下さい。
大概の学生ローンの融資上限は50万円になっています。もし現在30万円借りているのであれば、残り20万円は追加で融資してもらえる可能性が有るはずです。
新たな業者からの融資を考える前に、この追加融資ができれば、返済は1つだけで済むわけですから、返済の負担がこれまで以上に増えることは有りません。
業者によっては相談に乗ってくれるはずですから、まずは電話で確認してみましょう。
本文では触れていませんが、借入れを増やそうと考えている場合には他の人の意見を聞いてみることも重要です。自分ではどうしても必要と考える事でも、他の人の価値観から言えばまったく必要のないものに見えるかもしれません。ですからそういった意見も聞いて、本当に必要な借入れなのかどうかを考えてみることも必要なことです。
ここで他社の借入れが有る場合の学生ローンの申込みについて纏めておきます。
- 借入れできる金額には法的な上限が有り学生ローンにも適用される
- 他社からの借入れが有る場合には審査は厳しくなる
- 複数の借入れをすれば返済も複数になるので予め返済の可能性を見極めておいたほうが良い
- まずは本当に借入れが必要なのかを考え直してみることが重要
何社も借入れして返済できなくなったら、多重債務者ということになり、最悪自己破産しなければならなくなります。新たな借入れには十分注意してください。