無収入でも学生ローンを借リれるか。返済力なしで借りるのは無責任?
学生の場合無収入と言う人は特に珍しいことではありませんが、その中にもお金が必要になって借入れをしたいと考えている人は居るはずです。しかし金融業者は返済のことを考えて収入が無い人には貸してはくれません。
もし貸してくれたとして、返済を考えた場合、無収入ではすぐに返済が難しくなって、債務整理に追い込まれてしまうでしょう。そして最悪の場合自己破産するしかなくなって信用は崩壊してします。
ですから収入も無いのに借入れしたいというのは無責任と言われても仕方のないことで、お金が必要と言うのであれば、まずはアルバイトを行って、借りるのではなく稼ぐことを考えるべきでしょう。
無収入でも学生ローンは借入れできるか?申込の前提は収入が有ること
無収入で借入れできるのかどうか先ず法的にどうなっているかと言う話になりますが、法的には年収の3分の1までと言う規定が有って例外としては1社50万円までは収入に関係なく融資が可能となっているので問題は無いようです。
しかし金融業者としては、貸したものは利息を付けて返して貰わなければ損失になってしまう為、収入が無いような人には貸したいとは考えず、通常ローンの申込条件には収入が有るという事という条件が入っているものです。
学生ローンの場合には申込条件をぼかして収入について言及していないところも有るのですが、実際には月々少額づつでも収入が無ければ審査に通してはいないというのが普通で、無収入での借入れは難しいと言って良いでしょう。
法的に言えば収入が無くても融資はできる
学生は学業が本分ですから、親などからの仕送り以外に収入が無いという人は多いと思います。こういった人も何らかのきっかけでお金が必要になるというような事は珍しいことではありません。
そこでまずこういった無収入の人に業者がお金を貸す事ができるのかどうか、法的な面から考えてみましょう。
学生ローンと言うのは特に特殊な業者ではなく学生を対象にしている消費者金融の金融商品です。消費者金融と言うのは貸金業者ですから貸金業法に従う必要が有ります。
貸金業法には近年の改正の際に総量規制というものができ、この規定によれば貸金業者が融資できるのは、利用者の年収の3分の1までとなっています。このためこれが適用された場合年収0の無収入の学生は融資が受けられません。
ただし、こういった規定では収入が少ない人は借入れが困難になってしまって、困る人も出てくるために、次のような例外規定が入っています。
- 専業主婦の場合には配偶者の借入れ分と合計して配偶者の年収の3分の1まで融資できる
- 収入に関わらず1社あたり50万円まで全社合わせて100万円まで融資できる
したがって、例えば学生だが既に結婚している場合や、50万円までなら法的には業者は無収入の学生に対して融資を行っても構わないということになります。
一般的には安定収入が無ければ業者は貸したくない
しかし法的には貸せても、業者側は返済が見込めなければ融資は行いません。一般的にキャッシングの申込みができる為の申込条件には、年齢制限に加えて、安定収入が有ることが明記されています。
したがって、この条件が有る以上、無収入の人は審査に落ちるということ以前の問題として申込むことができません。
ただし学生ローンの場合には、安定収入と言ってしまうと、たとえアルバイト収入が有ったとしても、学生には限界が有るので、こういった申込条件を明記していない場合が有り、申込みができるところも多くなっています。
あとは業者がどういった審査を行うのか問題になります。
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学生ローンの場合も少額であっても月々の収入が融資の前提になる
学生ローンを提供している貸金業者も企業ですから、慈善事業を行うわけにはいきません。融資したお金が返ってこないかもしれない相手に安易に貸してしまったら、それこそ株主に弁解できません。
したがって、審査では社会人のような大きな収入を要求する訳ではありませんが、5万円程度でもいいので月収が無ければ、なかなか審査に通過するのは難しいといわれています。
このため無収入の人が学生ローンを申込んだとしても、融資を受けるのは難しいろ言わざるを得ません。お金を借りるというのはそう安易に考えてはいけないのです。
世の中には何事にも裏というものが有ります。ローンの世界でも正規業者が有れば非正規業者である闇金も有るのです。こういった闇金は正規業者では借りられないような人に対して融資を行っています。ただし闇金を利用したら違法な取り立てや罠にはまってお金をむしり取られるというような事にもなりかねないので学生でも社会人でもどういう事情があったとしても近付いてはいけません。
借りたとしても返済して行けない!最悪自己破産するしかない
もし借りられたとしてその後はどうなるのでしょうか。
ローンを借りるには契約を結ばなければなりません。この契約には返済についても書かれていて、これに沿って返済しなければなりませんが無収入では返済は無理です。それを承知で契約するのは大変無責任と言って良いでしょう。
もし契約通りの返済ができないということになると、返済の条件を変えてもらうというように債務整理を行う必要が有り、無収入ではそもそもどういった条件でも返済は難しいですから、最悪自己破産するしか方法が無くなります。
もし債務整理を行った場合以後最長10年間はいわゆるブラックと言う状態になってしまい、その間必要が有ってもお金を借りることもできませんしクレジットカードも作れなくなるなど、生活上大きな支障が出てくるでしょう。
ローンは契約の通り返済しなければならない!無責任な借入はできない
そこで無収入だが融資が受けられたという状況を考えてみましょう。
ローンというのは利用するときに必ず契約書を取り交わします。簡単に言えば業者側が融資するので、利用者側は契約書に明記した方法に従って返済してくださいと書かれていて、両者がそれを守ると約束するわけです。
契約書と言うのはあらゆる取引の基本となるものですから、これは絶対に守らなければならないものと考えて下さい。
しかし学生の場合まだ社会経験が無いので、契約書の重要性を理解しておらず、とにかく借りられれば良くて、後の事はどうでもいいというような認識しか持っていない事が有ります。
しかしこれは社会的に言えば無責任と言わざるを得ない行為になってしまうのです。
契約を守れなければ債務整理に追い込まれ最悪自己破産
それでもとにかく融資を受けたとしましょう。融資を受けたら次に待っているのは返済です。学生ローンは元本自由返済方式というような利息だけ支払えば元本分は返済期限内であればいつ支払っても良いというようなかなり自由な返済になっています。
しかしだからといって、返済が無い訳ではありませんし、いつかは元本分も返済しなければならない訳ですから、その分のお金を用意しなければなりません。
無収入では、そういったお金を作ることはなかなか難しい筈ですから、返済途中で返済ができなくなることは十分考えられます。
そうしたら、もう返済できませんと言って許して貰える様な事は有りません。そうなった時には要するに契約の履行ができない訳ですから、債務整理をして貸し手と借り手の合意を得て新たな返済方法を纏めるしかありません。
もしこれ以上の返済ができないというような事になった場合、裁判所の判断を仰いで、最悪自己破産するしか方法が無くなってしまいます。
以後はブラックになってしまう
自己破産を含む債務整理を行なったら、その情報は信用情報と言う金融業者間で利用者情報を共有するデータベースに記載されることになります。
こうなった人のことを金融取引ではブラックと言う言葉で呼んでいます。ブラックになってしまうとその情報が信用情報に残っている間はどこに行っても金融取引はできません。
この情報が格納されている期間は最長10年ということになり、借入時の学生が、その間に社会に出ることになりますが、社会人になってもお金を借りるどころかクレジットカードも作れない状態になってしまいます。
金融取引と言うのは究極的には相手が信じられるかどうかの信用で成り立っています。ブラックと言うのはこの信用が全くない人を指している言葉で、学生ではピンとこないかも知れませんが、社会に出ると大きなハンデになるのです。
借りるのではなく稼ぐことを考える!長期アルバイトを探そう
ですから無収入でお金が必要となった場合でも安易な借入れは自分に取って大きな不利になってしまう可能性がるため、まず必要なのはアルバイトを始めて自分で収入を作り出すことです。そうすれば借りなくて済みます。
またもし長期アルバイトを始めて月々少額でも収入が発生しているという状態になれば、それをもとにして、学生ローンの申込みを行えば、今度は返済できるお金が有る訳ですから、審査にも通過できるはずです。
もしアルバイトを始めるのであれば、自分の収入と支出を管理して、自分がどのようにお金を使っているのかということを見えるようにしておきましょう。そうすればお金が必要と言う時借入ではなく節約で乗り切る事も考える事ができます。
アルバイトで収入を得ることを考えてみよう
このように無収入でお金を借りるのはなかなか難しいですし、借りたとしても返済できない状態なわけです。ですから、借りるというのはそもそも無理な話だと考えておいた方が無難です。
でもお金が必要なんだと言う場合には、発想を転換して借りるのではなく稼ぐことを考えましょう。
勉学に影響が出てはいけませんが、学生なら空いている時間は社会人よりもある筈です。
その時間を利用してアルバイトをしてみてはいかがでしょうか。
借りる時のように纏まった金額をすぐに手にすることはできないかもしれませんが、1月も働けばそれなりの金額を手にすることはできるはずです。
しかもそのお金は返済の必要のないお金ですから、後々重荷になるようなことも有りません。
長期アルバイトなら月々収入が入り以後お金も借り易くなる
アルバイトには長期に続ける事が前提になっていて、収入も月々月給として支払われるような長期アルバイトと、数日間あるいは短いものでは数時間働いて、その分をすぐに日給等の形で受け取る短期アルバイトがあります。
収入を得ると言う目的であればどちらでも構いませんが、将来お金を借りるという可能性が有るのであれば長期アルバイトをするべきです。
これまでアルバイト経験が無いという場合には、まずは短期アルバイトを行ってみて、時間的に大丈夫だということが分ったら次に長期アルバイトを行うという段階を踏んだやり方も良いかもしれません。
自分のお金の管理を始めよう
自分で稼いでいないと、なかなかお金というものは管理できないもので、自分がどのようにお金を使っているのか良く分らないうちに仕送りが消えて行っているというようなことも良くあるは話です。
そこでアルバイトを始めて自分の収入を得るようになったら、収入と支出の内容を記録に残して、自分がどのようにお金を使い、現在いくらの余裕が有るのか分るようにしましょう。
そうすればこの先どの程度のお金が貯まるのかも見通せるようになって、お金を借りようと考える際も、幾ら借りれば良いのかの判断が付き、節約できる部分も分かって、無駄なお金を借りなくて済むようになるでしょう。
お金が必要と思った時に、多くの人はすぐに借入れを考える時代になりました。これはお金が比較的簡単に借りられる時代になったからですが、お金を借りたら利息付きで返済しなければならない事を思い出してください。要するに損失が出るのです。ですからお金が必要と思った時には、まずは借りなくて済む方法を考える事が先決です。借りなければ損失も出ないのです。
他の方法を考えてみよう!学費なら奨学金や教育ローンが有る
学生ローンはこのように無収入では借入れが難しいのですが、借入れと言うのは他の手段でもできる可能性が有るものです。どうしてもお金が必要と言うのであれば、そういった別の方法も考えてみる必要が有ります。
例えば学生がどうしても必要なお金と言えば学費ですが、これを学生ローンで賄うには金利面で考えても無理が有ります。しかし学費であれば別の方法として奨学金や教育ローンというものも用意されているのでまずは奨学金の利用を考えてみるべきでしょう。
教育ローンの方は、やはり返済と言う点で無収入では融資はされないのですが、親の名前で申込むことによって融資を受けることは可能です。ただし、どのように返済して行くのか良く親と話し合う必要はあるでしょう。
学生ローンが無理なら別の方法を考えてみよう
説明してきたように無収入では学生ローンの利用は難しいことが分りました。しかしお金がどうしても必要で、借入れを諦める訳には行かないという人もいるでしょう。そういう場合はどうすれば良いのでしょうか。
もちろん自分では必要なお金だと思っていても、他の人から見ると、全く必要性の無いお金と言う場合も有ります。
例えば趣味などに使うお金と言うのは自分では絶対必要と思えても、他の人には理解できない使い道になります。ただしこの場合には借りてまで趣味に利用すべきとは思わないので、先に延ばすべきでしょう。
しかし、先送りができないような場合も有ります。
そういう場合には、学生ローンが駄目なら別の方法でお金を用意することを考えてみましょう。
奨学金なら無収入でも借りられる
学生がお金が必要と言う場合最も可能性が高いのが学費です。そもそも学費が無ければ学生を続けていけませんから、話は深刻です。
しかし学生ローンで学費を支払うのは賢明とは言えません。学費であれば奨学金や教育ローンというものが有ります。これらの金利を比較してみると次のようになります。
借入れ手段 | 金利 |
---|---|
学生ローン | 17%~20% |
奨学金 | 0%~3% |
教育ローン | 3%台 |
これを見れば学費として学生ローンを利用することが大変不利な条件になってしまうことが良く分るでしょう。しかも奨学金を利用するには無収入の学生でも構わない訳ですから、学費には最適です。
日本の奨学金制度は先進国の中では最悪の制度ですが、それでもローンとしてみれば他のローンよりもずっと有利なのです。
教育ローンはやはり収入が前提になるので親に借りてもらう
これに対して教育ローンの場合には、やはり収入が有ることが前提になります。したがって学生自身が申込むというような事は難しくなってしまいます。
ですから、教育ローンを利用するとすれば、親などの保護者が申込みをするという形を取らなければなりません。実際の返済では借入後すぐに元本の返済を始める場合も有れば、卒業までは利息を支払い元本は卒業後にできるものも有ります。
親の名前で借りるわけですから、学費についてどうしていくのか、自分だけで考えるのではなくて、良く親とも相談して、方針を立てることが重要になるでしょう。
教育ローンと言うのは銀行などの民間が提供しているものだけではなく、公的な貸付制度も有るので、民間の教育ローンでは審査通過が難しい場合には、こういった公的な教育ローンの利用も検討してみることが必要でしょう。
ここで無収入でも学生ローンが借りられるのかについて纏めておきます。
- 学生ローンと言っても融資の前提は収入が有る事
- 無収入では借りたとしても返済が難しいので最悪自己破産に追い込まれる
- お金が必要なら借りるのではなく稼ぐほうが良い
- 学生ローン以外の方法も考えるべき
学生のうちに大きなお金が必要と言うのは学費以外は考えにくいですが、もし大きなお金が本当に必要な時は、学業を続けながら自分でどうこう出来るとは考えず、周囲を巻き込んで助けを求めることも必要でしょう。