学生ローンの借入にリスクって?危険性を考えて計画的な利用を!
学生ローンと言うのは収入が少ない学生でも融資されているように大変審査が緩いですが、金利を考えれば目的別ローンなどよりも不利で、そこにリスクが生じます。
もし自分の返済能力を超えた借入れをしてしまうと返済ができなくなる危険性が有るわけです。
返済できなくなってしまった場合、一部の人は他から借りて返済に充てるというような事を行う為、徐々に借入れや利息が増えてしまうことも有ります。
学生だけに限りませんが、融資が受けられる金額或は契約できるローンの数と言うのは限られたもので、他から借りるというのはいつかできなくなります。
そうなってしまった場合には多重債務者ということになり、最悪自己破産しなければならなくなります。
学生ローンの審査は大変緩く学生には借り易い!しかし問題も有る
学生の場合、収入が少ない上に安定性も会社員などより低いですから、一般向けのキャッシングの審査通過は難しいですが、学生ローンでは学生向けと言うだけあって審査は緩く学生には借り易くなっています。
ただし、一般向けキャシングと同じで銀行の目的別ローンなどに比べると金利は高くなっている為、有利な借入れとは言えません。
このような比較的金利が高いローンの場合利息も高くなるので、安易に借入れしてしまうと、返済が厳しくなってしまうという問題が有り、安易な借入れには十分注意しなければならないものと言えるでしょう。
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学生ローンは審査が緩く学生にはありがたい存在
学生がローンを借りようという場合、一般社会人向けのものでは、収入の安定性が低く、また収入額自体も少ないので、なかなか審査に通過するのが難しく、利用できる人はそれほど多くは無いはずです。
しかし、学生には学生向きの学生ローンというものが有って、これ等の学生ローンは少額の収入で、それ程高い安定性が無くても審査は通ります。
このように学生ローンの場合には、学生向けと言っているだけあって、学生が使える程度に審査が緩く、学生には大変有り難い存在であると言えるでしょう。
金利を考えればそう有利とは言えない
学生ローンの場合、金利は一般向けのキャッシングと同程度かあるいは多少有利な設定と言われますが、銀行の目的別ローンなどと比べるとそう有利な設定とは言えません。
これ等のローンの金利の例を次に示して比較してみます。
ローン | 最高金利 |
---|---|
学生ローン | 16%台~20% |
一般向けキャッシングローン | 18%~20% |
教育ローン(銀行の目的別ローン) | 3%程度 |
つまり学生ローンと言うのは、現在のローンの中ではそう有利なものではなく、高金利の部類に入るということです。
もちろん利息は金利だけできまる訳ではありませんが、ローンとしてみた場合、あまりお勧めできるものとは言えない訳です。
自分の返済能力を超えた借入れを行うと返済が難しくなることも有る
もしこういったローンを自分の返済能力を超えて借入れてしまった場合どうなるでしょう。
学生ローンの返済方式は元金自由返済方式と言って、毎月利息だけは必ず入金しなければなりませんが、元金の返済分は返済期限までなら何時返済しても構わない事になっています。
借入れが大きくても苦しい時は利息分で良いので、返済はしやすいはずです。
しかし、そう言って元金の返済を少しづつ先に延ばしていくと、返済期限近くになると、月々高額の返済をしなければならなくなることも有り、場合によっては返済に行き詰ってしまう事も十分考えられます。
こういったことが学生であっても、よくあることなのです。
本文では学生ローンと言うのは審査が緩いと説明していますが、本人の確認でも学生証だけで申込みができるのが普通で、免許証やパスポートも必要なく、学生には大変申込み易くなっています。
返済できなくなったら他から借れば良いと考えてない?
もしアルバイトが計画通りに行えず、収入が予定より少なくなった場合には、返済に必要なお金が用意できないという事態になってしまいます。
この場合一部の学生は他の業者から新たな借り入れをして返済に回そうとする場合が有ります。他に頼れるところが無ければ、それでも仕方がないと考えてしまう訳です。
しかしローンを借りたらそのお金は返さなければなりませんから、新たに借りたら翌月からは借入れした分の返済も行わなければならなくなります。
こういう事が続くと、借入れ合計も増えてしまい、それぞれに掛ってくる利息も膨らんで、更に債務が増えて行くという悪循環に陥ってしまうのです。
返済分を他から借りれば取り敢えず返済できる
では学生ローンを利用していて返済ができなくなってしまった時は、自分ならどうするのか考えてみて下さい。
その場合、先ほど説明したように、最低利息分だけ用意できれば良いので、安易に考えてしまい、取り敢えず他から利息分だけ借りて、返済しようと考える場合も多いのではないでしょうか。
確かにそうすればその月の返済分は何とかできます。
しかしそれはお金が足りないという問題を先送りにしているにすぎません。
借りたものは返さなければいけない
利息分だけとはいえ新たな借り入れをしてしまったら、翌月以降、その分の返済も行っていかなければなりません。
翌月はアルバイトに励んで余分に稼ぎ、従来からの借り入れ分の返済に加えて、新たな借り入れ分の返済も行えればよいですが、アルバイト時間を増やせなければまた返済に困ることになってしまいます。
そうするとまた同じことで新たな借り入れをして、返済するお金を作ろうと安易に考えてしまうことになり、結局どちらの借入れも徐々に増えて行く可能性が無いとは言えません。
そして両方とももう借り入れできないということになってしまうと、また新たな借入先を探して、同じことを繰り返すことになりかねません。
借入れが多くなると利息も膨らんでさらに債務が増える
借入れをすれば、利息も掛りますから、トータルで考えれば、利息分だけ債務は増えることになります。これが続いてくと、徐々に債務は増え続けることになる訳です。
借入先を増やせば増やすほど、債務は大きくなるので、月々それらの借入れを自転車操業のように他から借りては返すということを繰り返せば、金利が高い訳ですからすぐに膨大な債務に膨れ上がってしまいます。
気が付けば、とても学生の収入で返済できる金額を超えてしまう可能性も無いとは言えません。
この時点になって、本来であれば新たな借入先を探さなければならなくなった時に親にでも相談しておけばよかったと考える学生も多いはずです。
借りれば借りる程自分の首が閉まっていくことを感じ始めるのもこの時期です。
ローンの返済方式には様々あり、本文で説明している元金自由返済方式と言うのは一般向けのローンではまず無いかなり特殊な例です。多くは月々利息分と元金返済分の合計が一定額になるような元金スライドリボルビング返済方式や元利均等返済方式というようなものになっています。このためそういった方式では返済には学生ローンよりも高額なお金が必要になるので、追い詰められるのも早くなります。逆に言えば学生ローンの場合少しづつ首が閉まっていくので、かえって追い詰められているのが分り難くなっているという問題が有る訳です。
学生ローンは幾らでも借りられる訳ではない!いずれ借りられなくなる
このように債務は増えるにしても他からからの借入がうまく回っていれば、なんとか返済は続けて行けるのかもしれません。しかし借入れ出来る金額というものには法的な上限が有るのです。
また業者側も既に他社の借入れを利用しているということになると、返済能力の評価は厳しくなるので、審査はその分通り難くなり、借入れが増えると、それ以上はもう貸せないということになってしまいます。
そして借入れが行えなくなったところで、返済が行き詰ってしまうので、その時点で多重債務者ということになり、もはや学生では返済は厳しい状況だといえるでしょう。
借入には法的な上限額が存在する
他から借入れして返済するという形でも、新たな借入先が常に見つかるというのであれば、返済を続けて行くことができて、負債が大きくなっていくという問題は表には出てきません。
しかし誰が考えてもそんなことができる訳が有りませんし、明確な障害も有ります。
まず1つ目の障害と言うのは貸金業法に規定されている総量規制です。この規制の内容は貸金業者は全社合計して年収の3分の1を超えて融資はできないというものです。
ただし、これでは年収が少ない人の場合には借入れしかできませんから、次のような例外規定が有ります。
- 専業主婦の場合は配偶者の了解のもとで、配偶者の借入れと合計して配偶者の年収の3分の1までは融資可能
- 1社50万円まで全社合計で100万円までは年収に関わらず融資可能
学生の場合を考えれば、複数の借入ができたとしても収入が伴わないのが普通なので、後者が適用になるのが普通で、最大でも100万円が上限になります。
学生で100万円の借入れと言うのは学費を学生ローンで賄ってでもいなければまずありえませんが、ここで説明しているように徐々に膨らんでいくような場合には、絶対に無いとは言えません。
他社の借入をしていると審査は徐々に厳しくなる
障害になるのはこの法的な上限だけではありません。
貸金業者は融資したお金が利息付きで返済されなければ利益を上げることができません。そして返済してもらえるかどうかを審査によって判断しているのです。
このため他からも借入れしているような場合には、業者によっては審査に通さない事も出てきます。
学生ローンのホームページを見ると他社から借り入れしている場合には相談してくれと書かれていることが良くあります。
これは相談の内容によっては融資するということでもありますし、逆に言えばそういう場合には、他の借入れの場合とは別ですよと言っている事になるのです。
したがって借入先が多くなると、借入れできなくなる可能性も徐々に高くなってしまうのです。
いずれ借り入れができなくなってしまう
この法的な上限と、業者の審査が厳しくなるということから、こういった自転車操業的な借り入れは、いつか出来なくなってしまいます。
そうすると新たな借り入れは出来ないため、この時点で学生だろうが何だろうが多重債務者ということになってしまいます。
ここまで行くと学生ではどうすることもできなくなり、周囲を巻き込んで解決策を考えるということになるのが普通です。
多数の借入れを抱えた場合、学生には利用は難しいですが、おまとめローンというものが有ります。これを利用すれば多数のローンを1つのローンに借り換えて纏められますから、返済は月々1つにでき、複数の返済では無くなるので、比較的楽に返済できるようになります。
借り過ぎてしまうと相手をしてくれるのは闇金だけになる!
この時点で自分が多重債務者だと認めて債務を何とかしようとする人はまだ良いのですが、中には更に他から借り入れして、悪循環を続けようと考える人もいます。
しかし、この時点で融資に応じてくれる業者は正規業者には無く、闇金と呼ばれる非正規業者だけになります。
しかし闇金は様々な違法な融資や取り立てが行われる業者ですから、この時点で弁護士などに相談して債務整理を行うべきでしょう。
いずれにしても、こういった状況になったら、学生ではもはやどうすることもできなくなっている筈ですから、まずは親に相談して、以後の対策を考える事が必要でしょう。
安易な借り入れをしたらいつかそのツケを支払うことになるのです。
正規業者からの借り入れが難しくなると相手をしてくれるのは闇金だけ
自分が多重債務者と認めてしまえば、あとはどうするかと言う話になる訳ですが、この時点では、それを認めようとしない人もいます。
こういう人の場合、さらにどこかで借入れができないかを模索し始めます。学生ローンの範囲を超えて一般向けのローンも探すようになりますが、複数の借入れを抱えた学生に貸すような業者はまずありません。
こういう場合相手をしてくれるのは、結局怪しい業者ということになり、世間一般で言う闇金しか利用出来る業者は有りません。
もちろん闇金でも学生は相手にしていないところも有りますが、中には学生でも貸す場合も有るので、罠にはまってしまう可能性も無いとは言えません。
闇金から借りようと考えた時は債務整理を行ったほうが良い
借りられる可能性が有ると、この時点でもまだ何とかなると考える人はいるもので、闇金から借り入れして、更に高金利の借入れを続けて傷口を広げてしまう人もいるのです。
人間というものは、物事を自分の都合の良い方向に考えてしまいがちな傾向が有り、心配事に蓋をしてしまうことも良くあります。
しかし負債が増えている以上、それ以上の借入れして、更に自分の首を絞めていることに蓋をしてしまってはいけません。
債務整理と言うのは業者側や場合によっては裁判所も含めて、契約内容を見直して返済できる方法に見直すことですが、最悪の場合には自己破産をすることで、債務を帳消しにしてもらう事も可能です。
もちろん債務整理をすれば信用は崩壊して、以後しばらくは借り入れなどはできませんが、闇金から借りて後で怖い思いをするよりもずっと良い選択です。
まずは親に相談するべき
学生の場合、成人していたとしても、まだ親の保護下にあると考えて間違いありません。
ですから、そもそも借入れを考える段階から、親に相談したほうが良いのです。
自分ではどうしようもなくなった段階では遅きに失してはいますが、やはり親に相談して、一緒に考えてもらったほうがずっと良い結果に繋がるはずです。
もちろんそんな状態では、厳しくしかられることは目に見えていますが、子供の窮地に勝手にしろというような事はなく、親身になって打開策を考えてくれるでしょう。
返済できずに窮地に陥るのは、そもそも借入れしたことが問題です。最近は簡単にお金が借りられる環境が有って、ついつい安易に借りがちです。しかし借りたお金と言うのは返済しなければならないもので、その負担は結構大きなものです。ですからお金が必要になった時には、まず借りる事よりも借りなくて済ませられる方法が無いかを考えるようにすべきなのです。
ここで学生ローンを利用するときのリスクについて纏めておきます。
- 学生ローンの審査は緩く簡単に借りられるが返済能力を超えた借り入れを行ってしまう可能性も有る
- 返済が難しくなってしまうと他から新たな借入れを行って返済しようとする人もいる
- 借入には上限が有り学生ローンもいつかは借りられなくなる
- 最終的には闇金しか貸してくれなくなり債務整理に追い詰められる可能性も有る
借入れを行う場合には、まず自分が月々いくらまでの返済なら耐えられるかを計算して、返済がそれ以上にならないように借りる事が重要です。