学費を学生ローンで借りるのは不利?まずは奨学金の利用を考えよう!
大学は合格したけど学費が用意できないという場合、学費を借りることになりますが、方法としては学生ローンの他、奨学金あるいは教育ローンがあります。しかし学生ローンは金利も高く学費には向いていません。
学費を借りるという場合、まず考えるのは、そういう学生のために用意されていると言って良い奨学金の利用を考えるべきでしょう。奨学金は国が用意しているものの他、企業が提供しているものも有り早いうちからの情報収集が必要です。
ただし奨学金は入学後の給付ということになるので、入学金など合格直後に必要になるお金には利用が難しく、こういった場合にはやはり学生ローンよりも金利的に有利な教育ローンの利用を考えるべきでしょう。
学費が足りない!学生ローンの利用は妥当なのか?
学生がどうしても必要なお金と言えば学費でしょう。学費が無ければそもそも学生を続けることができません。最近ではこの学費を学生ローンで用意するような人もいますが、学費に利用するのであれば奨学金や教育ローンなどもあります。
金利から考えた場合、学生ローンが最も高くなるので、もし学生ローンで学費を借りたとすると、利息の差はかなり大きくなってしまうことが考えられ、非常に不利な借入れになってしまうでしょう。
またこの他にも問題が有り、そもそも学生ローンでは借入れできる金額が必要額に達しない事も考えられ、こういったことから、学費に学生ローンを利用しようという人もいるのかもしれませんが、あまりお勧めすることはできません。
学費を借入れる方法とは?
学生がお金に困る要因としてもっとの可能性が高いものと言えば学費でしょう。学費が出せなければ、そもそも学生を続けることができませんから、学生としては何はさておいても用意する必要が有るお金ということになります。
そこで学費を借りる方法を考えなければなりませんが、利用できる方法としては次のようなものが考えられます。
- 奨学金
- 教育ローン
- 学生ローンなどのフリーローン
学費を借りるとすれば状況に応じてこれ等の中なら選ぶことになります。
金利から言えることは学生ローンは不利と言う事
どれを選ぶかと言うのは難しい問題ですが、まずは金利と言う側面から考えてみましょう。これ等の方法を利用する場合の金利は次のようになっています。
借入方法 | 金利 |
---|---|
奨学金(貸与型) | 無利息または3%(上限) |
教育ローン | 3%前後 |
学生ローンなどのフリーローン | 17~20%(上限) |
表から読み取れることは学生ローンは他のものに比べて金利が非常に高くなっているということです。
したがって、学生ローンを使って学費を借りるとするとかなり不利な借入れをしなければならないということになります。
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学費に学生ローンは利用すべきではない!
ですから、余程の緊急性が有るような場合を除いて、学費に学生ローンから借りたお金をあてることは避けるべきでしょう。
したがって、学費を借りようという場合には、残っている2つの方法である、奨学金か教育ローンを利用すべきということになります。
もし学生ローンを利用するという場合には、手持ちのお金が有るが、学費としては多少足りないというような状況で、借入金額が大きくならないということを前提にするべきでしょう。
最近では学費を学生ローンで賄おうと考える人が増えていますが、学生ローンで融資が受けられるのは最高50万円までで、通常は10万円台程度しか借りられません。したがって、そもそも学生ローンで学費を賄うには無理が有るということを覚えておきましょう。
まずは奨学金の利用を考えるべき!情報収集が重要になる
そこで学費を借入れする場合、何が良いのかと言えば、やはり目的から考えても奨学金ということになるでしょう。
現在国の奨学金には給付型と貸与型が有り、給付型は返済の必要も有りませんが、非常に条件が厳しいため殆どは貸与型を利用することになります。
ただし日本国内で利用出来る奨学金は国のものだけではなく、企業が財団を作って提供しているものが有り、これ等は殆どの場合給付型で、学生が利用するとすれば最適な奨学金と言えるでしょう。
こういった奨学金を利用する場合、申込みが高校在学中と言う場合も有るので、情報収集が大変重要になります。学校から情報を貰うことも必要ですが、自分でも目を光らせておく事も重要です。
国の奨学金には給付型奨学金と貸与型奨学金がある
では奨学金を利用するのか教育ローンを利用するのかと言う話になりますが、やはりまず利用を考えたいのは奨学金でしょう。奨学金と言うのはそもそもお金が足りなくて学業を諦めなければならない人が利用できるように作られたものです。
そこで日本の奨学金制度はどうなっているのかと言うと、制度的には次の2つが有ります。
- 給付型
- 貸与型
給付型と言うのは返済の必要が無い奨学金で、貸与型と言うのは卒業後に返済が必要になる奨学金です。貸与型はさらに2種類あって1つは無利息のもの、もう一つは低利ですが利息がかかるものです。
諸外国も含まて考えた場合、奨学金と言うのは給付型のものを言い、貸与型などと言っている奨学金制度を作っているのは日本を含めてごく少数で、そういった点で日本は特異な存在になっています。
つまり貸与型奨学金と言うのは有利な借入れができる一種の教育ローンということになります。
企業も奨学金を出しているところが有る
奨学金にはこの国の提供している奨学金とは別に、企業が財団を設立して、その財団が奨学金を提供する形のものが有ります。これには様々なものが有って、例えば新聞社などが新聞配達を行うことを前提としている奨学金も含まれます。
もちろん企業の場合、国のように貸与型などと言うおかしな奨学金と言うわけではなくて、給付型の奨学金を提供しているので、利用者は安心して利用することができます。
ただし、国のような大きな財源を持っているわけではありませんから、これ等の企業が提供している奨学金が利用できるのはごく少数なので、誰もが利用できると言うわけではありません。
情報を集めることが大変重要
国の奨学金は誰もが知っているでしょうが、企業の奨学金はそれほど知られておらず、利用したいのに知らずに申込みが終わっていたというような事も良くある話です。しかもこういった奨学金の申込みは高校在学中に行われるものもあるのです。
ですから学費を何らかの形で借りなければならないという場合に必要なのは、情報収集力です。
そういう情報はまずは学校に集まりますから、高校在学中から目を光らせ、また最近ではインターネットも利用できますから、自分でもいろいろと探してみる努力を惜しまないようにしましょう。
現在の国の給付型奨学金は受給条件が異常に厳しく、しかも各高校で1名しか推薦できなくなっていて、まず使えない制度になっています。しかも使えたとしても、学費を全額賄うほどには給付されず、結局貸与型を併用するしかありません。国はすぐにでも諸外国並みのもっと使いやすい奨学金制度を作るべきでしょう。
奨学金と教育ローンを使い分ける?入学金等は奨学金では間に合わない
ただし奨学金の利用では注意が必要な場合も有ります。まず通常奨学金の給付は入学後になりますから、合格後入学金や前期の授業料の支払いは給付前となるため、入学時に掛るお金をどうするかが問題になります。
教育ローンを利用する方法がありますが、教育ローンはこれから大学や専門学校に通おうというその時点では高校生が借りるのはかなり難しいため、利用するとすれば、学生の保護者などの身近な返済能力のある成人ということになります。
こういったことは合格してから考えるというのはかなり無理が有るので、予めどのような方法が有るのかなどについて、保護者や担任などとも話し合って、どうすれば良いのかについて計画を立てておくことが重要でしょう。
入学時に支払うお金をどうするか
問題は奨学金は入学後に申込みを行って、給付が始まるということです。
しかし例えば大学入学を考えてみて下さい。入試に合格したら、期限を切られて入学金をまず支払わなければなりません。場合によっては前期の授業料も一緒に支払うことになります。
そしてこれ等のお金は入学前に支払うわけですから、当然奨学金が給付されてからでは間に合いません。このため学費のために奨学金を借りる予定にしていたとしても、入学時に掛るお金をどうするのかと言う問題は残る訳です。
そこで利用したいのが最後に残っている教育ローンです。
教育ローンであれば何時申込んでも構いませんから、入学金の入金締め切りまでに申込んで融資を受けておけば、間に合わせることができます。
教育ローンは通常保護者が借りることになる
教育ローンと言うのは銀行などが提供している目的別ローンの1つで、誰でも申し込むことができますが、他のローンと同じように返済能力や信用が審査され一定以上の評価が得られなければ、融資を受けることができません。
もちろん保護者が申込んだとしても、審査は同じように行われますから、返済能力や信用に問題があれば、借りることができません。
事前に保護者や担任などと学費をどうするか計画を立てる必要が有る
そこで学費を何らかの形で借入れで用意しようという場合には、まず入学時をどうするか、そしてそれ以後どうしていくのかということについて、事前に保護者や高校の担任などを交えて綿密な計画を立てておくことが必要です。
高校の担任を交えてと言うのは、こういった場合学生本人や保護者にはそれ程経験というものが有りませんから、その点様々な事例を知っているはずの担任を含めて考えたほうが良い方法にたどりつけるでしょう。
また入学後もその後の学費については大学の学生課に行って相談してみることも重要です。大学ではそれぞれ奨学金制度を持っている場合が有るので、それらの利用ができないかどうかも探っておくようにしましょう。
入学時に教育ローンを利用しようという場合、保護者にある程度以上の返済能力や信用が無ければ審査が否決になってしまいますが、もし否決になりそうな場合には民間ではなく公的な教育ローンも有るのでそちらの利用も考えてみましょう。ただし民間にしても公的なものにしても、申込みから融資までには時間が必要なので、期限に遅れないように余裕をもって申込みを行ってください。
貸与型奨学金は返済しなければならない!卒業後の計画も必要になる
無事入学後は貸与型奨学金を申込もうということになりますが、貸与型ですから、この奨学金は就職後返済しなければなりません。ですから奨学金を利用するにしても、卒業までに自分はどれだけの負債を背負うのかしっかり計算しておきましょう。
最近では経済状況が悪い時期が長く続きましたから、奨学金の利用者が増えてきていますが、中には借入額が大きく卒業後返済ができなくなって自己破産に至るような場合も出てきているので十分注意しなければなりません。
奨学金を利用して無事卒業就職したら、返済が始まる前に自分の収入から返済していくことになるので、しっかり返済計画を立てて、返済できなくなるような事態にならないようにしなければなりません。
まずは自分がいくらの負債を背負うのか正確に計算しておこう
学費の借入れを考えている人の場合、入学後は多くの人が結局は貸与型奨学金を利用することになります。はっきり言えば、他を検討したとしても、これに代わるようなものは他には無いということです。
しかし名前が示しているようにこの奨学金は貸与されるだけで、返済が必要です。4年間借入れしたとすれば、かなりの金額になりますし、最近増えている大学院まで進んだとすれば、膨大な金額になってもおかしくありません。
そこで借入れをする場合には、自分は卒業までにどれだけの負債を背負うのかということを、予め正確に計算しておきましょう。
卒業してから返済が必要な金額を見てびっくりするというような事が無いようにして、しっかり返済して行くということを肝に銘じてください。
最近では返済ができなくて自己破産する例も出てきている
最近では親の世代がバブルの崩壊後の経済低迷のせいで、子供の教育費が用意できず、奨学金を借りる人が多くなっていますが、そういった人が次々に返済する時期に差し掛かってきています。
しかし追い打ちをかけるように経済無策の政権が3年も続いてしまって、不況がさらに長期化してしまい、最近になってまともな政権ができて経済が上向いてきてはいますが、未だに完全にはデフレからの脱却すらできていません。
こういった中で、卒業後も十分な収入を得ることができない場合も多く、奨学金の返済ができなくなってしまう人も少なくありません。
もちろん返済に行き詰ったら相談することはできますが、返済が免除になる訳ではありませんから、結局自己破産するしか方法が無くなってしまう人も出てくるようになりました。
奨学金で自己破産なんて、そもそも制度が悪いとしか言えず、日本が笑いものになっているのです。
それでも制度は制度ですから、これから奨学金を借りるという人は、返済するときのことをよく考えておくべきでしょう。
就職したら収入を見て返済計画を立てるようにしよう
流石に入学から卒業まで在学中にどのように返済して行くのかというような事はなかなか計画できませんが、卒業して就職すれば、自分の収入も分かってくるので、それをもとに返済計画を立てるようにしましょう。
そういった計画が無ければ、行き当たりばったりの返済になりかねず、場合によっては返済が難しくなるような状況に追い詰められかねません。あらゆる状況を考えて対応できるようにして下さい。
就職した際には、この奨学金の返済計画だけではなく、長期的な人生設計もしておきましょう。この時点では自分の希望で構わないので、例えば何時頃結婚してとか、何時頃には持ち家を取得したいとか将来を考えてみましょう。そしてそういった計画を実現するにはどうしたらよいのかということを考えて行くことが重要です。計画が有るのとないのでは人生が大きく違ってくるはずですから、簡単なもので良いので考えてみて下さい。
ここで学費の借り方について纏めておきます。
- 学費のために学生ローンを利用するのは不利
- 学費目的の借入れを考えるのであれば奨学金が勧められる
- 入学時は奨学金の給付が間に合わないので教育ローンを利用する
- 貸与型奨学金は返済の必要が有り卒業後には返済計画が必要
奨学金は給付型でない限り借入れと同じですから、他のローンと同じように、借入れをできるだけ少なくするように、いろいろと遣り繰りを考えて利用してください。