学生ローンと奨学金の違いは何?状況で違う最適なお金の借り方とは
学生がお金が必要と言う場合、最も多いのが学費の為です。学生ローンであれば利用目的自由ですから学費にも使えますが、学費に利用するのであればこの他にも奨学金や教育ローンと言った借入方法も有ります。
奨学金には給付型と貸与型が有りますが、日本で給付型を利用するのは非常に難しく、殆どは貸与型を利用せざるを得ない情けない状況です。しかしそれでも学生ローンを利用するよりも条件は格段に良くなります。
もし入学金も足りないというような場合には、その時点での奨学金の利用は難しいですが、それでも学生ローンを頼るよりも教育ローンを利用して低金利のお金を借りるべきでしょう。
学費が足りない時はどのように借りるべきか?学生ローンは不利!
学生ローンは何にでも利用できますから便利ですが、もし学費が足りないので融資してもらおうという場合に利用すべきでしょうか。学費に利用するのであれば、学生ローンでなくても他に借りる手段はいくつかあります。
学費と言う場合に最も利用すべきなのは、やはり奨学金でしょう。学生ローンよりもずっと有利な条件で、しかも返済は卒業後になるので、学生にとっては非常に使い易いものです。
これに比べて学生ローンは金利は高めですし、返済も元本は卒業後に返すものを選んだとしても利息分は月々支払う必要が有り、支払えたとしても、面倒ですから、学生ローンは学費のような高額利用には向きません。
学費を借りる方法とその比較
学生がどうしても必要なお金と言えば、勉学を続けるための学費でしょう。最近では急場をしのぐために学生ローンを利用して学費を用意する場合も有るようです。そこで学費に利用するために借入れできる方法を次に比較してみます。
借入方法 | 特徴 | 金利 |
---|---|---|
学生ローン | 申込み後短時間で借りられる | 18~20%(上限) |
教育ローン | 上限は有るが必要な金額の借入が出来る | 3%前後 |
奨学金 | 返済は利息を含めて卒業後 | 無利息または3%(上限) |
学費は奨学金を利用するのが基本
ただし、学費が用意できず何らかの借入れが必要と言う場合には、そういう人の負担を減らすために用意されている奨学金を利用するのが基本です。
奨学金は手続きさえしっかり行っていれば、ほぼ誰でも利用することが出来るように国が用意した制度ですから、学費に困っている場合には是非利用すべきでしょう。
注意が必要なのは卒業後には返済しなければならないのが普通ですから、借り過ぎると後々負担が大きくなるので、そういった点をよく理解しておかなければなりません。
学生ローンは学費には向かない
大学の学費は文系理系などで大きく違いますが、年間100万円程度は考えておかなければなりません。このため借入金額の上限を考えた場合、学生ローンの多くは50万円程度ですから、上限まで借りられたとしても足りません。
また金利から考えても奨学金や教育ローンと比較して非常に高い設定になっているので、利息も大きく違ってきます。
したがって、学費を学生ローンで賄うというのはあまり現実的とは言えません。
本文では学費の借入れのためのいくつかの方法を紹介していますが、どう利用するかは学生本人だけが考えても結論を出すのは難しく、保護者と高校の担当教諭、入学後であれば学生課などの担当者を含めて考えてください。
奨学金にはどのようなものが有るのか?給付型と貸与型とは
では奨学金にはどのようなものが有るのかと言うと、大きく分けて2種類が有り、1つは返済の必要のない給付型と呼ばれるもの、もう一つは卒業後に返済することになる、貸与型というものです。
日本の国が提供している奨学金制度を考えた場合、批判を受けて給付型奨学金ができたのは良いのですが、条件が厳しすぎて、利用者が僅かしかいないような馬鹿げた状況になっており、現在の状態では給付型の利用は極めて難しくなっています。
これに対して貸与型と言うのは、平たく言えば有利なローンと考える事が出来て、現在でも多くの学生が利用し、卒業後返済が厳しくのしかかってしまうような人も出てきています。
給付型と貸与型の違い
ここで奨学金について少し詳しく見て行きましょう。奨学金には通常次の2つが有ります。
奨学金の型 | 内容 |
---|---|
給付型 | 返済の必要が無い |
貸与型 | 卒業後返済する必要が有る |
海外で奨学金と言えば通常は給付型のものを指しますが、日本では国によってこの2つが奨学金とされています。
日本の制度では給付型の利用は非常に難しい
ただし、長年日本の国の制度では貸与型のみの提供ということになっていて、諸外国に比べて劣悪すぎると言う批判を受けて近年になってやっと給付型奨学金の提供を始めました。
しかしこの制度が全く使い物にならない状態なのです。この制度を利用するための条件は次のようになっています。
- 児童養護施設あるいは里親の養育を受けている
- 保護者が生活保護を受けているか住民税非課税
このどちらかに当て嵌まらなければ受給できないのでほとんどの世帯はここで断念せざるを得ません。
しかも高校ごとに1名を推薦することになっていて、これをさらに日本学生支援機構が審査して決定するようですが、この審査条件もはっきりしない表現になっていて非常に分かりにくい制度になっています。
さらに受給できたとしても、年間に必要な学費に遠く及ばない金額しか貰えないので、結局残りは貸与型の奨学金を借りなければ学業は続けられません。
そもそも利用枠が2万人分しかないという時点で、経済大国日本の奨学金とは思えないような制度と分かってしまいます。
今になって利用者が少ないとか何とか言っていますが、こんな条件で利用者が少ないも何も、要するに利用したくても利用できないということが分らないのでしょうか。
海外からの留学生に大きな支援をする前に、自国民に対する制度を根本的に見直してほしいものです。
貸与型は要するに有利なローン
これに対して貸与型と言うものには次の2つが有ります。
貸与型奨学金の種類 | 内容 |
---|---|
第一種奨学金 | 金利0で利息を支払う必要が無い |
第二種奨学金 | 3%以内の低金利 |
いずれにしても返済を行う必要が有る奨学金になっていて、どちらも利用するには成績の基準が有りますが、第一種の場合には多少厳しいので自分の成績を勘案して利用するものを選びましょう。両方を併用することも可能です。
これ等は日本では奨学金と言っていますが、給付型が普通になっている諸外国から見れば、要するに有利な金利のローンと見え奨学金とは言わないでしょう。
本文で説明している通り、日本の奨学金制度と言うのは極めて異常な制度です。そろそろ正気に戻って奨学金と言えば給付型、返済を求めるのであれば教育ローンと規定して、制度を充実させていくべきでしょう。
入学金は教育ローンを利用しよう!融資までの時間に要注意
ただし奨学金の給付や貸与と言うのは基本的には入学後に手続きをしてからということになるので、入学金に利用するのは難しくなってしまいます。このため、学費と言っても奨学金を受け取るまでどうするかよく考えておかなければなりません。
そこで入学金あるいは当初の学費の支払いについては奨学金ではなく、目的別ローンの1つである教育ローンの利用を検討してみましょう。教育ローンは原則的には保護者である通常は親が借りて支払うということになります。
もし民間の教育ローンの利用が収入などの面で厳しいという場合には、公的な貸付制度の中にも教育ローンが用意されているので、こういったものを利用することも考えてみて下さい。
奨学金の貸付は入学後
奨学金の借入れは入学後に各学校で説明会などを行って申込み後ということになるので基本的には入学後ということになります。
これは高校在学中に奨学金の予約を行っている場合でも同じで、入学前に借入れすることはできません。
このため合格直後に支払うことになる入学金、場合によっては前期の授業料の期限には間に合わせることが難しくなります。
したがって入学時にはそれに見合う金額を用意しておかなければなりません。もし用意できないという場合には大学などに相談する方法も用意されていることも有りますが、別の方法で借りることも考える必要が有ります。
教育ローンは原則的には保護者が借りる!借入れ申込時期に注意
そこで学生ローンを利用しようという場合も有りますが、学生ローンも入学前でしかも18歳ということになると借入れは難しくなってしまいます。
そこでこの時点で利用できるとすれば保護者が教育ローンを利用することです。
ただし教育ローンは学生ローンのようなキャッシングとは違って審査に多少時間がかかりますから、その点十分注意して、間に合わないというような事が無いようにして下さい。
民間金融機関で借りられない時は公的な貸付制度も有る
もし銀行などの民間の金融機関の審査に通らないような場合には、別の方法を考える必要が有ります。
教育ローンと言うのは通常は民間の金融機関を利用しますが、実は公的な教育ローンも用意されていて、民間では借り入れが難しいような場合でも、融資される可能性が有ります。
例えば日本政策金融公庫には1.76%と言う低金利の教育ローンが用意されていて民間では借りられないような場合でも利用できているようです。
ただし公的なものは処理時間がかなりかかってしまい、この日本政策金融公庫の場合には入金までに20日程度かかるということになっているので注意してください。
奨学金の返済は卒業後になりますが、教育ローンは翌月以降から返済が始まるのが普通です。ただし、教育ローンによっては元本の返済を卒業後にすることも可能になっているものが有るので、利用前に返済条件を確認しておきましょう。
高校在学中から準備しておこう!情報が何よりも大切
学費をどう用意するのかと言うのはなかなか難しい問題ですから、学費を何らかの借入れで支払うことを考えている場合には、まず高校在学中に担当教諭に相談して、様々な情報を入手することが大変重要になります。
奨学金の中には事前に登録しておいたり、申込みを行うようなものも存在しているので、そういうものについて知らなかったというような事が無いように、常に気を付けて利用出来るものは利用するようにしましょう。
また奨学金は何も国で提供しているものだけではなくて民間企業が財団を作って提供しているものも存在しており、この場合通常は給付型の奨学金を利用出来るので、返済の心配も無く安心して利用することができます。
高校の担当教諭に相談してみよう
実際に奨学金が利用できるまでには、様々な手続きを経なければなりません。特に国の奨学金はお役所仕事ですから、大変面倒です。
そこで高校生やその保護者だけでは兄弟などがいる場合を除いて奨学金利用の経験が無いかもしれないので、まずは在学している高校で、3年次になったら担当教諭を交えて、相談してみることから始めましょう。
受験勉強も大変ですが、必要なお金が用意できなければ進学もできないということをよく頭に入れておき、学校で説明会などが有った場合も、必ず出席するようにして下さい。
事前に申込みを行っておくことも必要
現在国の奨学金では例えば給付型を利用する場合には各高校に1名の枠しかありませんから、当然その手続きは高校時代に行わなければなりません。
また貸与型を利用する場合も前年度に予約をすることができますから、この手続きを行っておきましょう。もちろん制度的には進学してからも申込みはできますが、先にやっておけば安心して受験することができます。
どのように行えばよいのかは各高校で説明が有ると思いますが、現在ではインターネット上にも掲載されますから、前もって自分で調べておくことも必要です。
国以外の奨学金にも目を向けてみよう
また奨学金と言うのは国で行っているものだけではありません。企業が独自に財団を作って行っているものも有ります。
例えば新聞社が提供しているものなどが有名ですが、これだけではなく様々な企業が奨学金の提供を行っています。これらの殆どは国の制度とは一線を画して、本来の奨学金の形である給付型のものです。
申込みたかったのに申込期間を過ぎてしまったというような事が無いように十分調査するようにしましょう。
大学などでは独自の奨学金制度を持っていて、条件を満たしていれば給付されるようなものがそれぞれ用意されているので、入学したらまず学生課に行って、奨学金の利用の可能性について相談してみて下さい。
ここで学生ローンと奨学金の違いについて纏めておきます。
- 学費として学生ローンを利用するのは金額的に無理で金利的にも大変不利
- 奨学金には給付型と貸与型が有り貸与型は要するにローン
- 奨学金は入学時には間に合わないのでこの時点では教育ローンを利用すると良い
- 奨学金の予約は高校在学中に可能なので準備を忘れない様にする
本来はお金の話で学生が悩むというような事は有ってはならない訳ですが、日本の奨学金が現在のような制度不備があるのも現実ですから、これを上手に利用するにはどうするかをよく考えて利用してください。
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